厚生労働省委託事業 がんのゲノム医療 従事者研修事業

事業について

 ゲノム医療(個人のゲノム情報を調べて、その結果をもとに、より効率的・効果的に診断、治療、予防を行うことをいう。以下同じ。)の実用化については、内閣官房健康・医療戦略室のゲノム医療実現推進協議会の下に設置された「ゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース」において、医療提供体制等について議論が行われ、疾患領域ごとに必要な医療提供体制を踏まえた人材育成の必要性が指摘されている。
学会等においてゲノム医療に関する人材の育成が進められているところであるが、これまでの取組は家族性腫瘍に重点が置かれていたため、がん領域で最も重要な体細胞変異に基づくゲノム医療を担う医療従事者の人材が不足している。また、「がん診療提供体制のあり方に関する検討会」においては、がん相談支援センターがゲノム医療に関する相談に対応できるようにすべきと指摘されている。
このため、厚生労働省ではがんのゲノム医療に携わる人材を育成し、ゲノム医療の実用化を図るべく「平成29年度がんのゲノム医療従事者研修事業実施要綱」が定められ、本事業が公益社団法人日本臨床腫瘍学会に委託された。
実施要綱では、がんのゲノム医療の実用化に必要な医療従事者を育成するとともに、がん相談支援センターにおけるゲノム医療に関する相談の対応方法等について検討することにより、がんのゲノム医療の医療現場での実用化を進めることを本事業の目的とされている。
また、事業の内容は、下記の項目である。

(1)がんのゲノム医療の実用化に必要な医療従事者の育成

  1. がん診療連携拠点病院等に勤務するがんのゲノム医療に携わる医療従事者が、がんのゲノム医療に関する遺伝子関連検査、患者・家族への伝え方、多職種との連携、意思決定支援等について必要な知識を習得できるよう、効果的に研修を実施するためのプログラム及び教材について、委員会を設置し検討を行う。
  2. 委員会において検討された内容に基づく教材等を活用し、がん診療連携拠点病院等に勤務するがんのゲノム医療に携わる医療従事者に対して研修を実施する。
  3. 研修の周知や参加申込み等を行うホームページを開設し、運用する。

(2)がん相談支援センターにおける相談の対応方法等について

  1. がん相談支援センターにおける相談の対応方法等について検討委員会を設置する。
  2. がん診療連携拠点病院に設置されたがん相談支援センターにおいて、がんのゲノム医療に関する相談にどのように対応すべきが検討する。
  3. 上記で得られた検討結果を、がん相談支援センターの相談支援員にわかりやすく伝えるための資料を作成する。

(3)その他

  1. 本事業の実施に必要な事項であって本要綱に定めのない事項については、厚生労働省健康局がん・疾病対策課と協議のうえ決定する。
  2. これに基づき、日本臨床腫瘍学会では、主に上記(1)の事業について「がんゲノム医療コーディネーター養成委員会」、上記(2)の事業について「ゲノム医療従事者研修委員会」を設置し本事業を推進する。

委員名簿

○がんゲノム医療コーディネーター養成委員会

委員長木下 一郎(北海道大学病院がん遺伝子診断部)
委員櫻井 晃洋(札幌医科大学医学部遺伝医学)
古川 洋一(東京大学医科学研究所先端医療研究センター臨床ゲノム腫瘍学分野)
滝野  寿(一般社団法人日本臨床衛生検査技師会)
武田 祐子(慶應義塾大学看護医療学部大学院健康マネジメント研究科)
米村 雅人(国立がん研究センター東病院臨床研究支援部門)
上野 秀樹(国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科)
釼持 広知(静岡県がんセンター呼吸器内科)
菊地 順子(北海道大学医学部附属病院がん遺伝子診断部/内科I)
高橋 雅信(東北大学加齢医学研究所臨床腫瘍学分野)
田辺 真彦(東京大学病院乳腺内分泌外科)
向原  徹(国立がん研究センター東病院乳腺腫瘍内科)
林  秀幸(慶應義塾大学病院腫瘍センター)
小山 隆文(国立がん研究センター中央病院先端医療科)
安藤 雄一(名古屋大学医学部附属病院化学療法部)
松原 淳一(京都大学医学部附属腫瘍内科)
坂井 大介(大阪大学医学部附属病院がんゲノム医療センター)
平沢  晃(岡山大学病院臨床遺伝子医療学)
伊東  守(九州大学病院血液・腫瘍内科)
オブザーバー大江裕一郎(国立がん研究センター中央病院呼吸器内科)
西尾 和人(近畿大学医学部ゲノム生物学教室)

 

○ゲノム医療従事者研修委員会

委員長 西尾 和人(近畿大学医学部 ゲノム生物学教室)
委員 安藤 雄一(名古屋大学医学部附属病院 化学療法部)
岩田 広治(愛知県がんセンター 乳腺科)
大江裕一郎(国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科)
大川  恵(聖路加国際病院 看護部)
木下 一郎(北海道大学病院 がん遺伝子診断部)
柏田 孝美(近畿大学病院 看護部)
小山富美子(神戸市看護大学 療養生活看護学領域 慢性病看護学分野)
坂本はと恵(国立がん研究センター東病院 サポーティブケアセンター)
鈴木 達也(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科)
角南久仁子(国立がん研究センター中央病院 臨床検査科)
高濱 隆幸(近畿大学病院 腫瘍内科)
髙橋 佳子(国立がんセンター中央病院 看護部)
武田 真幸(奈良県立医科大学 腫瘍内科)
豊岡 伸一(岡山大学病院 腫瘍・胸部外科)
中谷  中(伊賀市立上野総合市民病院)
中村喜美子(鈴鹿医療科学大学 看護学部看護学科)
村上 好恵(東邦大学 看護学部 がん看護学研究室)
山本 瀬奈(大阪大学 大学院医学系研究科保健学専攻)

 

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